桜坂君、君一人で考えて君一人で決断する。これはそういう話なんだ。
なれる!SE 15巻
SEの壮絶な業務を描くライトノベル(企業小説に近いかも)。
プロローグから総務に重大な決断を迫られ、上記のセリフがあとのストーリー展開の伏線になっているのですが、そんな話はよそに社内競合の案件が出てきてドタバタ急展開。
今回も、専門用語がバシバシ出てきますが、会話の雰囲気で一気読みできる内容。
13巻の最後に総務部に誘われるという終わり方をしたので続きが気になっていたのですが、やっと最新刊が出ました。
(14巻は短編集、これはこれで面白かった)
脱SE!?
13巻で総務にこないかと誘われた桜坂。話のスケールはそんなものではなく、一気に経営サイドにいくか?といった話なのですが、これは次巻への伏線なのでしょうね。
孤軍奮闘に耐える桜坂のタフネスさがクローズアップされているようだから、経営者の孤独にも耐えられるという下地かな?
社内競合のシビアさ
社内競合ということで今回は上長の藤崎、OJT係の室見立華が今回の敵。
この二人最初は動揺こそすれ、あっさり割り切ってと主人公の工兵を潰しに掛ってくる。しかも容赦なしに。
室見も作中あんまり出てこないのが逆に不気味です。たまに出てきたと思うと、もう勝つのが前提になってるかのような言い方をしてきて鼻につく。
こんなに割り切れるもんかね?自分が工兵の立場だったら転職考えるな・・・。
かつての敵が発火材に
私に倒される前に他の人間になんて負けないでください。
以前に熾烈な争いを繰り広げた、ベンチャーのホープ次郎丸縁と、今ではすっかり落ち目扱いの大手JT&W梅林が参戦。
いきなり仲間と競い合うことになって、戸惑う工兵。そんな工兵の尻に火を付けるのが、次郎丸。
今までは、工兵が室見達の戦闘意欲に火をつけて修羅場に引き込んでくのですが、今回、室見は敵役。
工兵のプライドをくすぐって、どんどん戦闘モードに巻き込んでいく。それでも作戦のイニシアティブは工兵に任せて、次郎丸はあくまで優秀な参謀に徹しています。
次郎丸縁は勝ちへの執着がすっかり身に沁み込んでいて、勝つための思考パターンが自然体な感じで出てくるところが凄まじい。
成長欲求の塊のような次郎丸と知略の全てを出し尽くさなければ気がすまない桜坂工兵の疾風怒濤なコンビプレイが面白い。
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