こんにちは。今回は映画ユダヤ人を救った動物園をご紹介したいと思います。
ポーランドにナチスドイツが侵攻。ワルシャワは完全にナチスの配下に置かれユダヤ人がゲットーとよばれる特別区域に移送されていきます。次々ナチスにゲットーに押し込められて明日の命も分からないユダヤ人達を経営する動物園にある自宅の地下にかくまった夫婦がいました。主人公のアントニーナと夫のヤンです。 ストーリーは杉原千畝、シンドラーのリストを思い出させます。
物語はナチス占領下のポーランド、ワルシャワで動物園を運営するヤンとアントニーナの夫婦、動物園を支配するヒトラー直属の動物学者ヘックを軸に進んでいきます。
映画はアントニーナを中心に夫のヤン(男)とリシュ(子ども)、それぞれの行動にスポットが当てられて物語は進行していきます。3人の行動原理の違いが良く描かれていた映画と思いました。3人の視点から映画を紹介したいと思います。
- アントニーナ(女性)の視点
- ヤン(男)の視点
- リシュー(子供)も視点
目次
アントニーナー(女性)の場合
アントニーナは母性愛を行動原理にしてユダヤ人を救出していきます。また女性という弱い立場から、ナチスとの関係を捉えていて男性であるヤンと対照的に見えました。
序盤に動物園の動物達を献身的に守り、動物への母性愛を見せるシーンがあるのですが、これが中盤以降でユダヤ人たちを保護することの伏線になっております。弱い立場の人間達を見捨てられないと献身的にかくまって時には自分を犠牲にしながら守っていきます。
ヤンとの言い合いのときにナチスのヘックが自分達を支配していると訴えるシーンがあって、弱い立場からの視点を表していました。基本待っているしかないし、ヘックに言い寄られたりしても耐えるしかないから、かなりキツい状況に追い込まれてた。
夫のヤンー男の場合
義侠心や義務感が行動原理になっているようなところがあって、ナチスに対しては強い反発心をもっています。積極的に外への行動に働きかけていくところがあり、家にいて動物園やユダヤ人を守るアントニーナと対照的でした。
基本的に家の中におらず、外で次々やることを見つけてきます。公共心が強く勢いで決めてしまってアントニーナが戸惑うシーンがありました。
自分の友人や恩師がつぎつぎとゲットーに入れられ、また、知らない土地に移送されていく。無力感にさいなまされ何かできないかと考え続け、行動していきます。
動物園の外に出て、街の様子を見ているので、それが分からないアントニーナに苛立つが、逆にヘックがいかに動物園やアントニーナたち夫婦を支配しているかが分からずアントニーナに言われてしまいます。
リシュー(子供)の場合
アントニーナとヤンの子供であるリシューも物語に重要な役割をはたしています。大人であるアントニーナやヤンと違って子供だから自分で行動をきめられず、表現の方法も知らない。
戦争のせいで、親に構ってもらえないところの苛立ちと、ナチスにいいようにされているくやしさ。子供なりに抱えているものがあって、どうしようもなく感情を破裂してしまうところがあります。このタイミングでなんでこんなことするんだ?と余計なことをして大人を困らせる、ハラハラさせる 。子どもは語彙も少なく、気持ちを伝えられないから行動で示すしかない。
- アントニーナはヘックに支配されている現実をヤンに伝えている。
- ヘックは街でみるユダヤ人の虐待をアントニーナに訴える。
- 子供であるリシュ―は置いてきぼり。
それでも必死になって両親やユダヤ人を守ろうとする健気さが、可愛そうです。
最後は幸せそうな終わり方をしていた。
いろいろありながらも、最後は親子仲良く幸せをかみ締めて終わっておりました。ちょっとあっさりしすぎか?と思わなくもないが、親子の献身が報われた感じだったので良かった。
かなり見ごたえがあり、考えさせられる映画だったので良かったら、ごらんになってみてください。ね。
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