予告見て気になっていた、わたしは、ダニエル・ブレイクを観に行ってみました。
公式サイト
心臓病を患って医師に仕事を止められたダニエルが支援を受けられずに途方に暮れているシングルマザーのケイテイと交流を深めながらなんとか生活のめどを立てようとするが、厳しい現実が彼らを追い詰めていく内容であった。
イギリスの社会福祉制度の問題点を浮き彫りにした作品
観る前は、ヒューマンドラマというか、他人を助けることによってダニエルも助けられ幸せを見出していくといった内容と思って観てみたら、イギリス社会の現実を突きつける容赦ない社会批判のドラマでした。
公式サイトを見た時に抱いたイメージと実際に見た時の感触が違いました。
同じこと繰返しているが
映画館の暖房が最初少し暑くて途中で寝ちまうかと思ったが(^^;;そんなことなく次どうなるんだろうと見てしまいました。
序盤は、なんか単調だなと思った。なぜなら、何度も何度も支援制度の申請をしてはやり直しになるシーンが延々と続くからです。
この繰り返しに見えるシーンがあとからあとからじわじわ効いてきますね。
要するに繰返しているのではなく繰り返しさせられているのだ!!
諦めるための制度
役所の対応や複雑な申請システムを観ていくうちに、申請者を諦めさせるための制度かと思えてくる。
新生する度に審査員に落ち度を指摘されすぐペナルティー。
やり直しかつどんどん増える審査クリアのための条件。それでも申請を続けなければ、生活の見通しを完全に絶たれてしまう。
救いのない話
物語はダニエルとシングルマザーのケイティを中心に話が進んでいくのですが、まったく救いがない。
公式サイトでは隣の誰かを助けるだけで、人生は変えられるとあるがこれ違うんじゃね?
変わらずに死んでいった・・・
シングルマザーのケイティ
ケイティも最初は通信制の大学を出て、なんとか職を得て貧困から脱出しようとしているのだけれど、生活は容赦なく困窮していき、生活支援のめども立たないダニエルも次第に追い詰められていく。
特に見ていてキツかったのが、ケイティが食糧支援を受けて食べ物を選んでいる途中で空腹のあまり缶詰を開けて手で食べてしまうシーン。
惨めさのあまり、ケイティが泣き出してしまうのですが、周りでもすすり泣きが聞こえてきましたね。
ダニエルは、ケイテイを立派だ、悪くないと慰めるが、私が受け取った監督のメッセージは多分こう。
貧困と貧困者を見殺しにする国の制度と他者の冷酷さが人の尊厳をなくしていく・・・
終わり方も、「これで、終わり??」のような感じであったが、私は、ああ、やっぱりそうか、と思って観終わりました。
主人公も周囲を助けて、誇りを持って生きていて、隣人からも愛される性格なのだけれど、現実が圧倒的に厳しすぎて、個々の登場人物よりもストーリー自体に見入ってしまった。
他人事でもないし、遠い国のお話ではない。
ケン・ローチ監督の作品は特に意識して観ていなかったのですが、機会があればまた別の作品も見てみたいと思います。
わたしは、ダニエル・ブレイク
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