キャリアアップ小説 給料戦争 感想

サラリーマンがどうやって給料をアップしていくかの指南書小説を読んでみました。

給料戦争 (PHP文庫)

食品会社の営業課長を務める浅野は会社での待遇に不満を持っている。

戦時中からタイムスリップしてきた陸軍大学卒の花村と、浅野の恋人で労務管理のエキスパートである由美子の話を聞きながらキャリアップに挑んでいく話。

 

給料アップは戦争だ

給与戦争というタイトル通り給料の獲得は戦争であるとのスタンスで語られています。

花沢というタイムスリップした軍人が出てくるのですが、性格はとても温厚で、反戦テレビに出てくるような全体主義的な旧軍人というイメージではないです。

タイトル通りキャリアップ、給与アップが戦争であるとの象徴的存在であるかの印象です。

 

給料を上げたい、待遇を良くして欲しい浅野に由美子がいろいろアドバイスをしていく話なのですが。

 

なぜ給料から少なくなって手取りになってくるのか、いわゆる社会保険料の話や、どうやったら会社の信頼を勝ち取って新しい仕事にチャレンジしてもらえるのか。

などなど、由美子から会社側の視点をもらって、実践し、給料アップにつなげていく話でした。

話の内容はとくに珍しものではなく、チャレンジしなければ実績を作れない。新しいことにチャレンジするには上司の信頼を勝ち取っていかなければならないと、どちらかというとサラリーマンとしての基本を再確認していくスタイル。

 

転職でキャリアップする方法

結局は会社に見切りをつけた浅野は転職によってキャリアップしていくのですが、転職の祭も転職エージェントとの話が出てきて、転職についての基本を再確認する話になっていますね。

転職がそもそも現在の人間関係の不満を解消するものではないことや、資格などより今取り組んでいる仕事の実績を積み重ねていくことの大切さなど。

 

物語としても結構面白くて、敵役の営業本部長が出てきたり、転職先で新しいビジネスを展開していく様子などが面白く描いてあった。

 

旧軍人から見た現代の企業

タイムスリップしてきた花沢も軍隊の視点から、どう部下を指導するのか、年功序列であった旧日本軍のシステムの弱点などを語っていて、過去と現在、軍隊と企業の共通点や相違点がところどころでさりげなく出てきて、読んでいて飽きない仕組みにはなっていました。

考えさせられつつ話が展開していくような感じで。

 

まあ、少し話がトントン拍子すぎることもあるし、出てくる人の話も正論すぎて少し斜めに聴きたくなる感じで読んでしまうところもあったのですが、普段の自分の考え方を見直してみる機会には良かったのかもしれないです。

 

 

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