こんにちは。今回は実際にアメリカの都市デトロイトで1967年7月に起きた事件を題材にした映画「デトロイト」を紹介したいと思います。
過激な暴動から行き過ぎた尋問へと移り変わるみごとなストーリーの展開。過激すぎるデトロイトの暴動。閉鎖した空間でとまらなくなる人間の狂気。マイノリティである白人とマジョリティである黒人の根深い問題。そんな見ごたえある内容が詰まった映画です。
あらすじ
1967年7月、暴動発生から3日目の夜、若い黒人客たちで賑わうアルジェ・モーテルに、銃声を聞いたとの通報を受けた大勢の警官と州兵が殺到した。そこで警官たちが、偶然モーテルに居合わせた若者へ暴力的な尋問を開始。やがて、それは異常な“死のゲーム”へと発展し、新たな惨劇を招き寄せていくのだった…。
ストーリーの展開
前半は暴動のすさまじさを描いて後半から、問題となった白人による黒人殺害事件に関してストーリーが展開していく。
暴動が過激になって市内が戦場のようになっている状況で発砲事件が発生。モーテルにいる容疑者への尋問がエスカレートして取り返しのつかないところへといってしまう。
とにかく暴動がすごすぎる。
こんな内乱みたいな暴動ってほんとにあるんだ・・・とあっけにとられてみてしまった。日本でも西成の暴動とかありますけど、比ではないですね。
お店の物は取り放題で、警備員は絶えず銃を保持。
市警察のほか州警察、州兵まで出動、街中を軍隊が歩き回り、戦場の様相を呈している。
そんな中で警官が狂気に走って惨劇がおこります。
閉鎖した空間でどんどん狂気に走っていく人間心理の描写
モーテルから狙撃があったとの情報で、モーテルの客を壁にならべて警官が尋問を開始。
警官の尋問がエスカレートしていくのと、尋問を受ける人々の恐怖心が描かれていて、一瞬も目を離せなかった。
感情に身をゆだねると際限なく人は獣と化してしまう。理性のタガをいったん外すと抑制は効かなくなる。あとで元に戻そうとしても、いったん感情にのっとられた思考は理性に席を戻そうとはしない。
そんな歯止めがきかない状況をみごとに描いていました。
結局社会問題はマジョリティとマイノリティの差別に行き着くのか。
人種のるつぼであるアメリカで起きた黒人差別の象徴的な事件。
結局は圧倒的なマジョリティの数で虐げられるマイノリティが抱えざるを得ない問題が描かれています。
しかもアメリカの白人比率はどんどん下がっていって2050年ころには過半数を割るそうです。
マイノリティに変わった白人の大衆心理はどう変わっていくのでしょうか。
そんなさまざまな問題を抱えるアメリカの一幕を見せてくれる映画でした。
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