こんにちは。
戦争映画、ヒトラーの忘れものの紹介します。
戦争が終わったあとの話です。
ナチスドイツがデンマークの海岸線に残して行った地雷を撤去させられるドイツの少年兵たちがいました。
かれら少年兵たちと少年兵を監督するデンマークの軍曹との間で物語が展開します。
あらすじ
1945年5月、ナチス・ドイツによる5年間の占領から解放されたデンマーク。ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、捕虜のドイツ兵たちが駆り出された。セバスチャン、双子のヴェルナーとエルンストらを含む11名は、地雷を扱った経験がほとんどない。彼らを監督するデンマーク軍のラスムスン軍曹は、全員があどけない少年であることに驚くが、初対面の彼らに容赦ない暴力と罵声を浴びせる。
広大な浜辺に這いつくばりながら地雷を見つけ、信管を抜き取る作業は死と背中合わせだった。少年たちは祖国に帰る日を夢見て苛酷な任務に取り組むが、飢えや体調不良に苦しみ、地雷の暴発によってひとりまたひとりと命を落としていく。そんな様子を見て、ナチを激しく憎んでいたラスムスンも、彼らにその罪を償わせることに疑問を抱くようになる。とりわけ純粋な心を持つセバスチャンと打ち解け、二人の間には信頼関係や絆が芽生え始めていた。
やがてラスムスンは、残された任務をやり遂げて帰郷を願う少年たちの切なる思いを叶えてやろうと胸に誓うようになる。しかしその先には思いがけない新たな苦難が待ち受け、ラスムスンは重大な決断を迫られるのだった……。
少年兵に地雷処理させる鬼軍曹のこころの変化
ナチスドイツをめちゃくちゃ憎んでるデンマーク兵のラスムスン軍曹。
かれの少年兵への憎悪と愛情の間でゆれ動くようすがみごとに描かれていた。
だんだんと次第に手を差し伸べるようすが、揺れ動くこころの様子をよく表していると思う。
はなしの序盤でイメージしたような鬼ではなかった。
なんせ、自分の息子くらいの少年たちが、地雷でふきとんでいくのですからね。
気持ちもかわりますよ。
愛犬だけが家族のラスムスン
また、ラスムスン軍曹の孤独なキャラクター設定も観客の想像力をかきたてます。
愛犬とだけ暮らしている中年兵。
かれは、兵役の間だけ家族とはなれているのか、もともと独身なのか。
それとも、戦争で家族をなくしてひとりになったのか?
孤独でナチスドイツを憎むラスムスン軍曹も、少年兵たちの過酷な環境に態度を軟化させていきます。
少年兵たちの過酷な状況
少年達が過酷な環境に飢えにくるしみながらも、仕事をこなす。
少年兵ってところが、状況の苛酷さを際立たせてます。
あどけない、少年兵たちが、地面に這いつくばって、地雷を取り除く。
もちろん、反抗心も持つが、やはりこども。
なにかあれば、軍曹をたよるしかないこら、「軍曹どの!軍曹どの!」とすがりつくところが、いじらしい。
彼ら少年兵が反抗したくても何も出来ない弱者にすぎないことをものがたっています。
ラスムスン軍曹の少しの態度の軟化をみてなつくようになる。
叱責しつつもとまどいを隠せないラスムスン軍曹の態度が絶妙だった。
結局は弱者にしわ寄せがくる戦争の不条理
ナチスに蹂躙(じゅうりん)されたデンマークだが、捕虜(ほりょ)の少年兵たちに地雷の撤去をさせるのは、応報ではない。
単に扱いやすいからでしょう。
おとなに従順で、しかも作業の飲みこみがはやい。
敵国が埋めていった地雷を自分たちで危険をおかして撤去していくのも、ばからしい。
しかし、結果として残るのは弱い少年兵たちを死に追いやるという負の連鎖。
終わった後も戦争は続いているということ
戦争がおわっても敵地に取り残されるひともいるし、取り残された敵兵を憎む住民たちもいる。
視点が戦争前や戦争中ではなく、戦争がおわったあとに残された人々に焦点をあてているのが興味深かった。
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